台湾人

台湾と日本 就職活動の大きな違い

文化的にも近く、友好的な関係を築いている台湾と日本ですが、就職における考え方は両者で全く異なります。転職回数が多いことにポジティブな台湾とネガティブな日本。この違いが生まれる背景について解説していきます。

日本独自の新卒採用

日本型雇用を表現する際に用いられる言葉のひとつに”新卒(一括)採用”があります。これは、在学中の新卒学生を対象として、卒業後、すぐに入社となるよう一律のスケジュールで一度にまとめて採用活動を行なう方式のことで、海外では珍しく日本独自の体系となります。

台湾人にとっての就職とは

台湾には新卒採用という概念がなく、新卒採用枠を設ける企業はほぼありません。大学卒業後2〜3ヶ月で仕事を探す人が多く、これは日本以外の先進国に共通して見られる特徴です。

また、台湾には18歳を超える男性を対象とした徴兵制度があるので、大学卒業後に兵役に就き、終了後に就職活動を開始したり、先に一度企業に勤めてから兵役に就き転職する人もいます。

加えて、採用する企業側の目線として、台湾では大手求人サイトへの掲載料金が年間10万円程度と安価で求人数も無制限のため、採用は求人サイトへの掲載で事足ります。求職者も求人サイトで職探しを行うので、日本の転職シーンで登場するような転職エージェントに頼る必要はありません。

こういった制度や環境の違いも相まって、台湾では転職を前提とした就職が当たり前となっています。日本の入社一年目の離職率が12%弱であるのに対して、台湾は40%強で新卒の離職率の高さが伺えます。入社3年目の定着率の高さを採用時の売り文句にするのも日本企業に特有のものです。

台湾における就職の特徴

履歴書は使い回し

台湾では同じ履歴書で何十社、何百社の企業に応募するのが一般的で、主に学歴と職歴で即戦力かどうか判断されます。企業側も志望動機をそこまで気にしないため、日本での就職活動のように志望理由を作り込んだり、業界を研究する手間はほぼ不要です。

面接は一回

大手企業以外では、大体は面接は1のみで、有給も取りやすいため転職活動の負担が軽い環境です。日本での転職活動はSPI試験+面接2〜3回が一般的ですので、転職における負担が大きく異なります。

まとめ

転職回数の多さに対してポジティブな台湾とネガティブな日本。友好国同士でも、社会制度や文化が異なれば就職事情が全く異なることがわかりました。日本企業の採用側は、文化的な違いを考慮して採用活動に臨む必要があります。例えば外国人の履歴書に目を通す際、その転職経験の多さが文化的な違いから来るものであると理解しているだけでも、意思決定にプラスに働くのではないでしょうか。

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