特定技能制度が始まって以来、介護現場で働く外国人労働者の数は増加傾向にありますが、外国人の方でもあっても、介護に係る唯一の国家資格である介護福祉士になれる方法は存在します。この記事では、外国人の方が介護福祉士になるための条件や、今後の予想される動向について解説します。
介護福祉士とは
介護福祉士資格は、「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく国家資格で、介護に係る唯一の国家資格です。例年の国家試験の合格率は70%前後で推移しており、国家資格の中では比較的合格率が高い試験であると言われています。多くの介護施設で、介護福祉士資格取得者には資格手当が準備されており、介護福祉士資格を取得することで、一般的には待遇が良くなると言われています。
無試験でも介護福祉士になれる
これまで、外国人が在留資格「介護」のビザを取得するにあたっては、日本人と同様に、原則介護福祉士の国家試験に合格する必要がありました。しかし、令和3年4月1日施行「社会福祉及び介護福祉法」の改正により、令和9年3月31日までに、介護福祉士養成施設を卒業した場合、卒業後5年間は、介護福祉士と同等の資格を有することが認められることとなりました。さらに、卒業後5年間続けて、介護等の業務に従事することで、5年経過後も、介護福祉士の登録を継続することができます。
つまり、外国人が介護福祉士となるためには、日本人と同様に介護福祉士の国家試験に合格すること、または令和9年3月31日までに介護福祉養成校を卒業することの、いずれかが条件となります
介護福祉士の資格の価値を下げてしまうという観点を考慮すれば、一概にこれを評価することはできないのかもしれませんが、日本で就労ビザを取得したい外国人にとっては、実質無試験で、就労ビザを獲得できるチャンスが与えられることとなります。
外国人労働者の数が増える理由とは
加えて、特定技能についても在留期限が無制限に更新できる特定技能2号の業種が2022年より拡大されることが発表されていることを踏まえると、日本で働くことを目的とする外国人にとって、大幅な規制緩和となっていることが分かります。
また、新型コロナウィルスの感染症の流行により、令和2年末における在留外国人の数は令和元年末のその数と比較して減少したことがわかっていますが、外国人労働者の数については、令和2年においても右肩上がりの上昇を続けたことがわかっています。
少子高齢化による人手不足の深刻化が免れない今後の日本において、外国人労働者の活躍が益々注目されることとなりそうです。
その他参考記事① ~出入国在留管理庁HP~
介護福祉士養成施設を卒業して介護業務に従事する留学生の取り扱いについて
その他参考記事② ~公益財団法人 社会福祉振興・試験センターHP~
平成29年4月1日から令和9年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業した方の介護福祉士経過措置登録の手続きについて